食のリスクコミュニケーション・フォーラム2018
第1回:『市民の食の安心につながるリスコミとは』(4/15)-活動報告

【開催日程】2018 年 4 月 15 日(日)13:00~17:50
【開催場所】東京大学農学部フードサイエンス棟 中島董一郎記念ホール
【主  催】NPO法人食の安全と安心を科学する会(SFSS)
【後  援】消費者庁、東京大学大学院農学生命科学研究科附属食の安全研究センター、一般社団法人食品品質プロフェッショナルズ
【参加費】3,000円/回
     *SFSS会員、後援団体(団体あたり先着5名まで)、メディア関係者は参加費無料

3人の専門家より、それぞれのテーマに沿ったご講演をいただいた後、パネルディスカッションでは会場の参加者からのご質問に対して活発な意見交換がなされました。

【プログラム】

13:00~14:00 『消費者の誤解は量の概念の不足から』
         長村 洋一(鈴鹿医療科学大学)
14:00~15:00 『市民のリスク認知とリスクリテラシー』
         田中 豊(大阪学院大学)
15:00~15:20 休憩
15:20~16:20 『安全と安心の関係をもう一度考えよう』
          ​関澤 純(食品保健科学情報交流協議会)
16:20~17:50 パネルディスカッション
        『市民の食の安心につながるリスコミとは』
         進行:山崎 毅(SFSS)、パネラー:各講師
18:00~19:30 懇親会

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長村洋一先生


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田中豊先生


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関澤純先生


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*講演要旨ならびに講演レジュメは以下のとおりです:

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① 長村 洋一(鈴鹿医療科学大学)
 『消費者の誤解は量の概念の不足から』

合成保存料、合成着色料、化学調味料、人工甘味料は4大添加物として多くの消費者から嫌われている。「人工甘味料で脳障害に!」といったブログの記事を読んでみるとなんとフェニルアラニン、アスパラギン酸がその主犯物質とされている。「頭に影響する」として問題視されており、国際頭痛学会も問題物質として記載していた「モノソジウムグルタメート」をシステマティックレビューにより問題ないことを明らかにし、そのリストから本年1月に削除させることに成功した。すべては量の概念のないことに起因する誤解であるが、種々の観点から量の概念の重要性に関する話題を提供させて頂く。

長村先生講演レジュメ/PDF:1.78MB

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② 田中 豊(大阪学院大学)
 『市民のリスク認知とリスクリテラシー』

遺伝子組換え食品や食品添加物、あるいは放射線などのリスクについて、専門家と市民との間で、その判断や認知に大きなギャップが生じている。本講演ではその理由について、人間が生来的に有しているリスク認知の特徴とリスクリテラシーの不足、の 2 つの点から解説する。市民の感情や行動は、リスクの客観的判断ではなく、心理的・主観的、あるいは直感的判断であるリスク認知に基づいて決定される。リスクリテラシーとは、リスクを適切に判断して行動する上で身につけておくべきリテラシーのことである。今後の良識ある市民として、リスクリテラシーを身につけることが求められている。

田中先生講演レジュメ/PDF:622KB

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③ 関澤 純(食品保健科学情報交流協議会)
 『安全と安心の関係をもう一度考えよう』

​安全と安心の関係について様々言われてきた。安全は科学的、技術的、あるいは実務や行政的な考慮の上になりたっている。安心は各人や社会の持つ価値観と経験の蓄積、立場や状況に支えられている。安全なものを危険と考えたり、危険なものを安心することは避けるべきだが、両者の根拠が異なり、それぞれ理由があることを理解しないと行き違いが生じ、自分に分かりやすい解釈から問題解決を図ろうとし、うまくいかない場合もある。安全性評価に永年携わってきた者として、その根拠や意味について解説するとともに、リスク研究にも永年関わる者として、人や社会の判断の根拠と持つ意味についても事例を挙げて考察する。

関澤先生講演レジュメ/PDF:678KB

*参加者アンケートの集計結果(PDF/321KB)

(文責・写真撮影:miruhana)