第4号 2011.8/23

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     NPO食の安全と安心を科学する会 2011.8.23  第4号
          http://www.nposfss.com/
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東日本大震災で被災された皆様に心よりお見舞い申しあげます。
被災地の一日も早い復興を心から祈念いたします。

われわれNPOでも今般の大震災・福島原発事故に関わる食の安全と安心
の問題について議論を重ね、ホームページによる広報活動に努めております。

http://www.nposfss.com/

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残暑お見舞い申し上げます。
まだまだ暑い日が続いてますが皆様いかがお過ごしでしょうか?

9/1-2に神戸で開催される当NPO後援のシンポジウム
「食の機能性・安全性、そして安心を科学する」(神戸大・東大共催、当NPO後援)が、
いよいよ近づいてまいりました。

当NPOの山崎理事長も演者として参加し、「食の安全と安心の最適化への取り組み」について、
講演する予定でありますので、この機会をお見逃しなく、
是非ご参加くださいますようお願い申し上げます。(参加費:無料)
詳細は以下をご覧ください。


さて、おかげさまでNPO「食の安全と安心を科学する会」の創刊第4号のメールマガジンを発信する
運びとなりました。

今回は、最新の学術情報として、
関西福祉科学大学教授・厚生労働省疲労研究班代表研究者 倉恒 弘彦先生による
「日本における疲労の現状と抗疲労トクホの可能性」、
企業の食への取り組みとして、旭松食品株式会社様の活動を紹介します。
どうぞ御拝読ください。

また、このたび当NPO食の安全と安心を科学する会のホームページをリニューアルしました。
詳細は以下に示しますが、NPO「食の安全と安心を科学する会」の活動状況をはじめ、皆様のお御役に立つ、
有益な情報をタイムリーに発信していきたいと思っております。
今後ともよろしくお願いいたします。
http://www.nposfss.com/


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【本日の内容】

◇日本における疲労の現状と抗疲労トクホの可能性 
関西福祉科学大学教授・厚生労働省疲労研究班代表研究者 倉恒 弘彦

◇企業の食への取り組み 旭松食品株式会社

◇当NPOホームページリニューアル報告 

◇シンポジウム案内
9/1~2「食の機能性・安全性、そして安心を科学する」
神戸大学食の安全・安心科学センター・東京大学食の安全研究センター共同開催フォーラム

◇NPO「食の安全と安心を科学する会」活動報告および今後の活動予定


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□■ 日本における疲労の現状と抗疲労トクホの可能性 □■ 

 
関西福祉科学大学教授・厚生労働省疲労研究班代表研究者 倉恒 弘彦
 
1999年、厚生省疲労研究班が一般地域住民4,000名の調査を行ったところ、
約6割の人々に疲労・倦怠感が認められ、1/3の人では
半年以上続く慢性的な疲労を自覚していることが判明した。
慢性的な疲労が認められる人の半数近くが日常生活、社会生活において支障を感じており、
1割近くの人が会社や学校を休まざるを得ない状況にあることも明らかになった。
大阪で実施した疫学調査(2004年)もほぼ同様の結果であり、
これらの結果は「疲労大国、日本」などとして
新聞やテレビなどのマスコミに大きく取り上げられている。
一般に、体に変調がみられる場合は医療機関を受診すれば、原因となる疾病がみつかり、
治してもらえると思われている。
しかし、医療機関を対象とした疲労アンケート調査(外来患者2,180名)の結果では、
45%の患者に半年以上続く慢性的な疲労が認められたが、
医師が病名を特定できたものは4割に過ぎず、
3割は過労、残り3割は原因不明として治療を受けていた。
慢性疲労による経済損失は、医療費をのぞいて年間約1.2兆円にものぼることが判明しており、
慢性疲労は経済的損失という観点からも21世紀の社会が対処するべき重要な課題の1つとなっている。
現在、滋養強壮をうたい文句とした栄養ドリンクの市場は年間数千億円の規模にのぼる。
しかし、抗疲労効果を明確に示したものはほとんどない。
これは、これまでは疲労を客観的に評価する手法が確立していなかったことによる。
我々は、疲労を客観的に評価するバイオマーカーの開発を進めており、
その一部を昨年開催された第2回特定保健用食品講習会(東京)において紹介したところ、
多くの企業から質問を頂き、その関心の大きさに驚いたところである。
平成23年6月には、日本疲労学会より「日常生活疲労の臨床評価ガイドライン」が発表された。
また、厚労省疲労研究班においても
「客観的な疲労評価法の確立と新たな疲労診断指針の作成」を目指した臨床研究が進められており、
平成23年度中には発表の予定である。
今後は、このような公的機関から示された客観的指標を用いた抗疲労トクホの申請が望ましいと考えている。
 

□■ 企業の食への取り組み  □■
企業の「食」を通した社会貢献活動の取り組みについて順次ご紹介いたします。

☆旭松食品株式会社(http://www.asahimatsu.co.jp/

■高野豆腐は、世界に誇る日本発の食料品

高野豆腐の発祥は、鎌倉時代に遡ります。
冬の厳しい高野山で、僧侶が豆腐を戸外に出したまま朝になり、
凍っていた豆腐を食べたところ面白い食感で、保存食として利用されたことに始まります。
肉や魚などの動物性食品を禁じられ、日夜厳しい修行に励む若い僧侶のパワーを支える
貴重なタンパク源となり、その後関西で普及して行ったと言われています。
昭和25年に創業した旭松食品は、日本一の高野豆腐メーカーとして、地道な活動を展開しています。
現代社会に生きる人々の食生活を見直すきっかけとなる健康を守る食品メーカーとして注目を浴びています。

≪現代社会に一考を投じる伝統食「高野豆腐」の挑戦≫
大豆原料だけで、タンパク質・脂肪を抽出した純正の食品として、その重量の約50%が、
植物性タンパク質で構成されている高野豆腐は、低カロリー高タンパク質で、鉄分、
カルシウムやイソフラボン、ビタミン、不飽和脂肪酸などが含まれており、
ストレス社会に生きる現代人に理想的な食品です。凍らせた豆腐を熟す過程で、
タンパク質が凍結変性することで様々な働きが生まれ、リノール酸、
レシチンの働きによりコレステロールの濃度を減少させ、体内の代謝を促進し、
動脈硬化を予防します。
さらに老化防止や生活習慣病の予防に効果的です。
引き継がれてきた日本の伝統食の良さを広めながらアレルギーのお子さんに
小麦粉の代わりに高野豆腐で作るおやつに挑戦しています。
このような健康維持に理想的な高野豆腐は、介護食にも重宝されています。
毎日の食習慣の中で、高野豆腐が皆様の健康を助ける食品として、お役に立てることを願っています。




□■ 当NPOホームページリニューアル報告  □■

■NPO食の安全と安心を科学する会 ホームページ
  http://www.nposfss.com/


このたびNPO食の安全と安心を科学する会のホームページをリニューアルしました。
グリーンを基調としたデザインを採用し、当NPOのミッションと事業活動の概略他、
研究中のテーマ、活動予定等をわかりやすく閲覧できるようになっております。

当NPOでは食の安全と安心に関して、
 ①不明確な知見を科学的に明らかにする研究を推進すること、
 ②科学的知見を市民に理解していただくための学術啓発活動を推進すること、

この2つが必須と考え、それをミッションとして事業活動を進めていますが、
その役割を果たす上でホームページでの情報発信は重要と考えておりますので、
今後ともよろしくお願い申し上げます。
http://www.nposfss.com/

なお従来のアドレスも当面の間は残す予定としておりますので、
引き続きご利用ください。


□■ シンポジウム案内  □■

☆当NPOの山崎理事長が演者として参加します!(当NPO後援)

 食の安全、安心に係る課題について「農場から食卓」までを網羅する総合的なアプローチをもって取り組むべく、
神戸大学大学院農学研究科と東京大学大学院農学生命科学研究科に、それぞれ「食の安全・安心科学センター」と
「食の安全研究センター」が平成18年に設立されました。

両センターの連携の先鞭として、来る9月1日(木)~9月2日(金)、食品の機能性と安全性の評価、
および食の「安全」から「安心」に向けた取り組みについて、産学官の専門家によるフォーラムが共同で開催されます。

現在国内外を問わず非常に注目度の高いテーマについて、産官学の専門家による活発な議論が展開される予定です。

当NPOの山崎毅理事長も演者として、「食の安全と安心の最適化への取り組み」を発表しますが、
皆様のお役に立つ、有意義なシンポジウムになることと確信しております。

この機会をお見逃しなく、是非ご参加くださいますようお願い申し上げます。(参加費:無料)

■「食の機能性・安全性、そして安心を科学する」
  神戸大学食の安全・安心科学センター・東京大学食の安全研究センター共同開催フォーラム
   http://www.research.kobe-u.ac.jp/ans-foodss/history/forum11.html

日時:平成23年9月1日(木)~9月2日(金)

会場:
 神戸市産業振興センター「ハーバーホール」
 (神戸市中央区東川崎町1丁目8番4号、JR神戸駅より東へ徒歩約5分)
 アクセスはこちらです↓
 http://www.kobe-ipc.or.jp/access/

プログラム

9月1日(木) ~食品の機能性と安全性~

10:00~10:10 開会の挨拶
             内田一徳(神戸大学大学院 農学研究科長)
             関崎勉(東京大学大学院 農学生命科学研究科 食の安全研究センター長)

10:10~10:40 「食品の機能や安全性におけるメタボロミクスの応用」
             吉田優(神戸大学大学院 医学研究科准教授)

10:40~11:20 「民間企業での機能性食品開発における取り組み:生体内抗酸化作用に着目したセサミンの開発」
             小野佳子(サントリーウエルネス株式会社 健康科学研究所課長)

11:20~12:10 「食経験が示す安心と科学で証明する安全」
             金沢和樹(神戸大学大学院 農学研究科教授)

12:10~13:30 【休 憩】

13:30~14:20 「食品の機能性と安全性評価」
             清水誠(東京大学大学院 農学生命科学研究科教授)

14:20~15:10 「臨床試験専門家からみた食品の機能性と安全性評価」
             石川秀樹(京都府立医科大学特任教授)

15:10~15:30 【休 憩】

15:30~16:10 「特定保健用食品の許可審査手続き」
             横田紀子(消費者庁 食品表示課 特定保健用食品審査官)

16:10~16:20 【休 憩】

16:20~17:40 パネルディスカッション「食品の機能性と安全性評価の問題点」
             パネリスト:吉田優氏、小野佳子氏、金沢和樹氏、清水誠氏、石川秀樹氏、横田紀子氏

17:40~17:50 第一日目閉会の挨拶
             大澤朗(神戸大学大学院 農学研究科 食の安全・安心科学センター長)

18:00~19:30 懇親会
             神戸市産業振興センター10階
             レセプションルーム/交流サロン/レストラン宙(SORA)にて


9月2日(金) ~食の「安全」から「安心」へ~

10:00~10:10 開会の挨拶
             大澤朗(神戸大学大学院 農学研究科 食の安全・安心科学センター長)

10:10~11:00 「食の安全・安心と信頼の心理学」
             中谷内一也(同志社大学 心理学部教授)

11:00~12:00 「食の信頼を向上させるためのコミュニケーション」
             中嶋康博(東京大学大学院 農学生命科学研究科准教授)

12:00~13:20 【休 憩】

13:20~14:10 「信頼を紡ぐ ?安全と安心をつなぐために?」
             内田俊一(前消費者庁長官)

14:10~14:50 「食の安全安心に向けた日本生活協同組合連合会の取り組み」
             鬼武一夫(日本生活協同組合連合会 安全政策推進室室長)

14:50~15:10 【休 憩】

15:10~15:40 「食の安全安心に向けたFAMICの取り組み」
             河本幸子(農林水産消費安全技術センター 消費安全情報部長)

15:40~16:10 「食の安全と安心の最適化への取り組み」
             山崎毅(NPO食の安全と安心を科学する会 理事長)

16:10~16:20 【休 憩】

16:20~17:40 パネルディスカッション「安全を知り、安心を得る」
             パネリスト:中谷内一也氏、内田俊一氏、鬼武一夫氏、河本幸子氏、山崎毅氏

17:40~17:55 「東大・神大センターの取り組み」
             大澤朗(神戸大学大学院 農学研究科 食の安全・安心科学センター長)
             関崎勉(東京大学大学院 農学生命科学研究科 食の安全研究センター長)

17:55~18:00 閉会の挨拶
             関崎勉(東京大学大学院 農学生命科学研究科 食の安全研究センター長)

定員
400名(先着申込順)

参加費

無料
(懇親会参加の場合は、5,000円を当日受付いたします)

主催
神戸大学大学院農学研究科食の安全・安心科学センター
東京大学大学院農学生命科学研究科食の安全研究センター


後援
NPO食の安全と安心を科学する会、消費者庁、独立行政法人農林水産消費安全技術センター、
財団法人京都高度技術研究所、神戸市、公益財団法人神戸市産業振興財団、日本生活協同組合連合会(順不同)


お問合せ・参加申込先

〒657-8501 神戸市灘区六甲台町1-1
神戸大学大学院農学研究科 食の安全・安心科学センター
大澤 朗  (電話/FAX 078-803-5804)
福田 伊津子(電話/FAX 078-803-5873)
メールアドレス foodforum2011@people.kobe-u.ac.jp

参加希望の方は、件名を「フォーラム参加申込」としていただき、メール本文に(1)お名前、
(2)ご所属・部署・役職、(3)E-mailアドレス、(4)参加希望日、(5)懇親会の参加・不参加を明記の上、
メールにてお申込ください。
なお、定員の都合によりご参加いただけない場合がございます。ご了承ください。


詳細につきましては、下記URLをご確認ください↓
 http://www.research.kobe-u.ac.jp/ans-foodss/history/forum11.html


□■ NPO「食の安全と安心を科学する会」活動報告および今後の活動予定  □■

【活動報告】

○2010年
12/10(金) 東京大学大学院農学生命科学研究科フードサイエンス棟竣工記念
 関連サテライトシンポジウム

詳細はこちら↓
http://nposfss-new.blogspot.com/2010/12/blog-post.html

○2011年
4/11(月) 小座談会『食の安全と安心フォーラム』 
シリーズ第1回 テーマ「飲食物の放射能汚染から考える食の安全と安心の
将来について」(於東大FS棟)

4/14(木) 同 シリーズ第2回(於SFSS関西事務所)

※今般の原発事故をうけて、緊急座談会『食の安全と安心フォーラム』を
4/11(東京)、4/14(大阪)で開催しました。

内容については、当NPOのホームページをご参照ください。
☆2011年5月2日 緊急座談会『食の安全と安心フォーラム第1回(4/11)』
 http://nposfss-new.blogspot.com/2011/05/1.html

また関係記事として、理事長雑感フ゛ロク゛もご参照ください。
☆2011年3月26日 飲食物の放射能汚染について(理事長雑感)
 http://nposfss-ty.blogspot.com/2011/03/blog-post_26.html

6/26(日)食の安全と安心フォーラム シリーズ第3回
 テーマ:昨今の食品問題から考える食の安全と安心の未来について
 http://nposfss-new.blogspot.com/2011/07/3.html



【今後の活動予定】

9/1~2 シンポジウム「食の機能性・安全性、そして安心を科学する」(神戸大・東大共催)
   (於神戸市産業振興センター「ハーバーホール」)当NPOが後援、
    パネルディスカッション等に参加 する予定です。

12月(日程未定) 小座談会『食の安全と安心フォーラム』
   シリーズ第4回を開催(当NPO主催)(於東大FS棟) テーマ:未定 

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【賛助会員】
 ・株式会社OSGコーポレーション
 ・メロディアン株式会社
 ・株式会社シドミ
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【編集後記】
NPO食の安全と安心を科学する会のメールマガジン第4号はいかがでしたでしょうか?
ご意見・ご感想などございましたら、下記メールアドレスにお願い致します。

当NPOのホームページは無事に本日8/23公開できる運びとなりました。
急ピッチで進めてきた制作作業ですが、期限に間に合わす大変さを経験しましたが、
モノを作り上げる喜びも大いに感じた次第です。
制作にご協力いただきました関係者の皆様、ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。



守山 治
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