創刊号 2011.5/6

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      NPO食の安全と安心を科学する会 2011.5.6  創刊号
           http://www.foodsafetysecurity.blogspot.com/
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謹んで地震災害のお見舞いを申し上げます
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今回の東北関東大震災で亡くなられた方々に哀悼の意を表するとともに、
被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
われわれNPOでも今般の大震災・福島原発事故に関わる食の安全と安心
の問題について議論を重ね、ホームページによる広報活動に努めております。
http://www.foodsafetysecurity.blogspot.com/
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さて、このたび、NPO食の安全と安心を科学する会は、食の安全と安心の
最適化を目的とし、食の安全と安心に関わる研究の推進、学術の啓発、
科学的情報の提供を行うため、メールマガジンを発行することとなりました。
NPO「食の安全と安心を科学する会」の活動状況をはじめ、皆様に御役に
立つ、有益な情報をタイムリーに発信していきたいと思っております。
何とぞよろしくお願いいたします。
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【本日の内容】
◇発起人・理事長あいさつ  局 博一、山崎 毅
◇東京大学大学院農学生命科学研究科フードサイエンス棟竣工記念 
関連サテライトシンポジウム (2010.12.10-11) 古川 雅一
◇企業会員の食への取り組み  株式会社OSGコーポレーション
◇止まない鳥インフルエンザ感染  眞鍋 昇
◇NPO「食の安全と安心を科学する会」活動報告および今後の予定

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□■ 発起人・理事長あいさつ ■□
NPO食の安全と安心を科学する会 
発起人 局 博一
理事長 山崎 毅

我々は「食の安全と安心の最適化」を目指します

  近年になって、生活者の食の信頼を揺るがす大きな事例が頻発するように
なってきました。BSE、O-157、輸入食品中の有機化学物質(非認可農業、メラ
ミン)の混入、食品産地偽装など数多くの社会的問題とともに、このたびの福島
原発事故など天災によっても、食の安全と安心が大きく脅かされました。日本は
世界各国の中でも有数な食糧輸入国であり、消費者の国です。生活者が自らを守る
ために、日常生活に密着した食の安全に関する客観的な情報の共有が非常に重要
です。一方、ともすれば不必要、不適正な風評によって甚大な損失を受ける生産者
や食品関連事業者が少なからず存在することも事実です。
  上記の社会的背景を鑑み、食の安全と安心に関わる中立的で科学的な研究成果情
報を生活者に提供するとともに、生産者および食品関連事業者との間で緊密な情報
交換と研究推進を行うための橋渡しを担うべく、科学者が中心になった組織の存在
が不可欠であることを認識し、本NPO法人を設立するに至りました。我々は、生活
者の食に対する信頼の向上とそれに裏付けられた産業界の健全な発展を期して、食の
安全と安心に関わる研究の推進、学術の啓発、科学的情報の提供を通じ、「食の安全と
安心の最適化」を目指していきます。

ホームページはこちら↓
http://www.foodsafetysecurity.blogspot.com/

□■ 東京大学大学院農学生命科学研究科フードサイエンス棟竣工記念 関連サテラ
イトシンポジウム (2010.12.10-11)■□
立教大学特任准教授
古川 雅一

  2010年12月10日(金)、当会主催で標記のサテライトシンポジウムを開催いたし
ました。食品関連企業、研究機関などから90名ほど参加いただきました。
  シンポジウムではまず、学校法人服部学園の服部幸應理事長に「食育のすすめ ―
大切なものを失った日本人―」と題する特別講演を頂きました。「食」はすべての生活
の原点であり、食育を通じて家族や社会の絆と文化が生まれるということ、そして、
私たちが忘れがちな「食」の本来の姿を見つめなおし、将来にわたって日本人が日本人
として、また世界で活躍する世界人として生きていくための知恵についてご講演頂きま
した。
  教育講演Ⅰでは、厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室、老健局老人保健課の
野口孝則係長に「食を科学する」ことの面白さや楽しさ、難しさについてご講演頂きま
した。教育講演Ⅱでは、東京大学大学院農学生命科学研究科の中嶋康博准教授に「食の
信頼を向上させるためのコミュニケーション手法:理論と実践」と題し、フードシステ
ムにおける信頼問題、食の信頼回復行動の見える化、食品業界による自発的な取り組み
の重要性などについてご講演頂きました。また、神戸大学大学院農学研究科付属食の安全
・安心科学センターの大澤朗教授には「細菌性食中毒にみる我が国の食の安全の現況と
展望」について、東京大学大学院農学生命科学研究科付属食の安全研究センターの関崎
勉教授には「食の安全研究センターの活動と国内および海外との連携」についてご講演
頂きました。
  最後に、当会の山崎毅理事長より当会の設立趣旨や事業活動などの紹介がありました。
なお、翌日12月11日(土)には当会後援のもと、さらに専門的なセッションとして
「食の安全を支える基礎ならびに応用研究」が開催されました。

詳細はこちら↓
http://nposfss-new.blogspot.com/2010/12/blog-post.html

□■ 企業の食への取り組み  □■
企業の「食」を通した社会貢献活動の取り組みについて順次ご紹介いたします。

☆株式会社OSGコーポレーション(http://www.osg-nandemonet.co.jp/

■OSGの水への取り組みとは
水関連機器総合メーカーとして、2010年に創立40周年を迎え、環境と健康と衛生を
テーマに、人々に役立つ付加価値の高い製品を次々と開発してきました。水の持つ
可能性を探求しながら、大きく2つの事業を展開しています。
1.水分補給事業(家庭用・業務用)
2.衛生水事業(殺菌水)
実に人間のからだは、60%が水で出来ており、水なくては生きていくことができない
大きな存在です。水は食材の安全性にも直結しています。きれいな水は安全な土を
作り、食物を育てます。味を楽しむ食の恵みも水の美しさによって得られます。自然界
の動植物は、食物連鎖と呼ばれ循環しています。そうした植物や動物の健康の分野でも
水という重要な役割で貢献したいと思っています。
殺菌水の分野では、病院や介護施設、食品加工工場などの衛生管理に役立てられています。
さらに人々の生活を支える農業用水でも代替農業の可能性について研究を行いながら、
環境負荷の軽減を行うことで地球に貢献したいと思っています。東京大学OSG機能水
研究所では、からだに良い水、地球に良い機能水の可能性を日本の名だたる最高学府で
ある東京大学を中心に研究団体とアライアンスを組み、水をめぐる様々な問題解決を
図りながら、これからも人類にとっての安全・安心な水を提供して参ります。

□■ 止まない鳥インフルエンザ感染 □■ 
東京大学教授・農林水産省食料農業農村政策審議会家禽疾病委員会委員
                    眞鍋昇

オルトミクソウイルス科に属する一本鎖RNAウイルスである高病原性鳥インフルエンザ
ウイルス(H5亜型)の故郷は中国南部の山間地で、ここから周辺各国に感染が広がって
います。我が国では、昨年11月に島根県の家禽に感染していることがみつかってから、
昨年12月に鹿児島県で、今年1月には宮崎県でみつかった後、再び鹿児島県でみつか
りました。その後3月まで大分県、和歌山県、奈良県、三重県、愛知県、千葉県などに
感染が広がり、数百万羽が殺処分されて、多くの農家に壊滅的な打撃を与え続けています。
隣国の韓国でも昨年来感染の拡大が統御できず、畜産業が壊滅的状況に追い込まれて
います。我が国や韓国では鳥インフルエンザウイルスの鳥類への感染だけが知られて
いますが、インドネシアやベトナムなどでは人間にも感染して強い毒性を発揮して多く
の患者が死亡しています。世界動物保健機関が「世界は一つ健康は一つ」の概念を掲げて、
国際規模でこの伝染病の統御に取り組んでいます。
なお、人間のインフルエンザウイルスは、動物と人間が密接な生活をしている中国南部
山間地で鳥インフルエンザウイルスが豚に感染し、豚体内でウイルスの混合(再集合)が
起こってうまれた変種であると考えられています。
※現状では日本国内で鶏肉・豚肉の安全性に関してご心配いただく必要はありません。

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□■ 食育の推進にとっても食の安全と安心は欠かせないテーマです □■
NPO食の安全と安心を科学する会 顧問
(学)服部学園 理事長、服部栄養専門学校 校長
                   医学博士・健康大使
                   服部 幸應

私は政府に「食育基本法」の成立を働きかけ、2005年に実現させることが
できました。いまでは eating education =「shoku-iku」という言葉が海外でも
認知されるくらい、「食育」が社会に浸透してきました。「食育」を支える3本柱は、
①食の安全・安心・健康の選食力を養う、
②食卓で食事作法を身につける、
③糧問題、環境問題を考える、
ですが、これらを進めるためには、本NPOの目的である食の安全・安心の
研究推進と学術啓発活動が必須です。
  皆さんも、我々NPOと一緒に食の安全と安心を議論していきませんか?

□■ NPO「食の安全と安心を科学する会」活動報告および今後の予定  □■
【活動報告】
2010年
12/10(金) 東京大学大学院農学生命科学研究科フードサイエンス棟竣工記念
  関連サテライトシンポジウム

詳細はこちら↓
http://nposfss-new.blogspot.com/2010/12/blog-post.html

2011年
4/11(月) 小座談会『食の安全と安心フォーラム』 
シリーズ第1回 テーマ「飲食物の放射能汚染から考える食の安全と安心の
将来について」(於東大FS棟)
4/14(木) 同 シリーズ第2回(於SFSS関西事務所)

※今般の原発事故をうけて、緊急座談会『食の安全と安心フォーラム』を
4/11(東京)、4/14(大阪)で開催しました。
内容については、当NPOのホームページをご参照ください。
☆2011年5月2日 緊急座談会『食の安全と安心フォーラム第1回(4/11)』
  http://nposfss-new.blogspot.com/2011/05/1.html

また関係記事として、理事長雑感フ゛ロク゛もご参照ください。
☆2011年3月26日 飲食物の放射能汚染について(理事長雑感)
  http://nposfss-ty.blogspot.com/2011/03/blog-post_26.html


【活動予定】
6/26(日) 第3回食の安全と安心フォーラム
  テーマ「昨今の食品問題から考える食の安全と安心の未来について」
   場所:東京大学大学院農学生命科学研究科フードサイエンス棟
   時間:13:00~17:00

9/1~2 シンポジウム「食の機能性・安全性、そして安心を科学する」(神戸大・東大共催)
    (於神戸市産業振興センター「ハーバーホール」)当NPOが後援、
     パネルディスカッション等に参加 する予定です。

12月(日程未定) 小座談会『食の安全と安心フォーラム』
    シリーズ第4回を開催(当NPO主催)(於東大FS棟) テーマ:未定 

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【賛助会員】
  ・株式会社OSGコーポレーション
  ・メロディアン株式会社
  ・株式会社シドミ
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【編集後記】
このたびの東北太平洋沖地震で被害を受けられた皆様に心よりお見舞い申し上げます。
微力ながら、復興に向けて私たちができることをひとつずつ実行していきたいと
思います。
福島の原発事故に関わる食の安全と安心の問題も、私自身このような天災による
事故が起こるとは思ってなく、はるかに想像を超えていました。しかし、起きて
しまったことを我々がどう乗り越えるか、問われているような気がします。
未来に向けて負の遺産を、今後どうプラスに持っていくか、ひとりひとりが考え
実行することが大切だと思います。

守山 治
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