食の安全と安心フォーラム第14回
『徹底討論!食品ロス』​-活動報告

■開催日時: 2018年1月21日(日)13:30~17:50
■開催場所:東京大学農学部フードサイエンス棟 中島董一郎記念ホール
■主 催: NPO食の安全と安心を科学する会(SFSS)
■参加費:無料

行政、市民団体、食品事業者(メーカー、流通、外食)から各1名の専門家に食品ロスへの取組についてご講演をいただいた後、会場の参加者からのご質問にお答えする形で食品ロス削減にむけたパネルディスカッションを実施し、活発な意見交換がなされました。

forum14_01.jpg forum14_02.jpg

河野美穂先生


forum14_03.jpg

鬼沢良子先生


forum14_04.jpg

森佳光先生


forum14_05.jpg

金丸治子先生


forum14_06.jpg

岩井正人先生


forum14_07.jpg forum14_08.jpg

<講演要旨/講演レジュメ>

13:30-14:00
『行政の取組』
 河野 美穂(消費者庁消費者政策課 企画官)

 まだ食べられるのに廃棄されている「食品ロス」。食品ロスは、平成 26 年度で年間 621 万トンと推計さ れています。国では、食品ロス削減関係省庁等連絡会議を設置して取組の連携や推進を図っており、全 国各地でも食品ロスの削減に向けた様々な取組が進み始めています。また、持続可能な社会を目指し、 国際的にも重視されつつある課題でもあります。
 豊かさを享受する一方で様々な格差が指摘されるようになった現在、社会全体で食品ロスの削減にどう 取り組んでいくのか、実践の主体である方々と、共に考えていきたいと思います。
  <講演レジュメ/PDF3.65MB

14:00-14:30
『2030 年までにどれだけの食品ロスを削減できるかを問われている』
 鬼沢 良子(NPO 法人持続可能な社会をつくる元気ネット 事務局長)

 SDGsの12.3では、2030 年までに世界全体で一人あたり食料の廃棄物を半減させ、生産・サプライチェ ーンにおける食品ロスを減少させると明示されています。社会全体でムーブメントをつくり、私たち一人一 人が具体的に何をするかにかかっています。2020 年、「日本はどこへ行っても食品ロス削減に取り組んで いた」と来日者に思われるような社会にして行きたい。
  <講演レジュメ/PDF3.64MB

14:30-15:00
『グループ理念に基づいた食資源の有効活用』
 森 佳光(キユーピー株式会社 執行役員 広報・CSR 本部長)

 キユーピーグループの事業活動は、原材料をはじめとした豊かな自然の恵みのもとに成り立っていま す。私たちは、グループの行動規範に「地球環境への貢献」を掲げ、自然の恵みに感謝し、資源の有効活 用と環境保全に真摯に取り組むことで、持続可能な社会を次世代につなぎます。工場で発生する副産物 や廃棄物は発生抑制を第一としたうえで、食品残さの有効利用をグループ連携により取り組んでいます。 また製法や容器包装の改良による賞味期間延長を通じて家庭内ストックの賞味期限切れによる廃棄を抑 制するなど、食品ロス削減に努めています。
  <講演レジュメ/PDF1.3MB

15:00-15:20 コーヒーブレーク

15:20-15:50
『持続可能な社会の実現をめざして~イオンの取り組み~』
 金丸 治子(イオン株式会社 グループ環境・社会貢献部 部長)

 イオンは、食品廃棄物の削減について、新たにグループ長期目標を設定し、取り組みを加速します。目 標は2つ、食品廃棄物の発生量を減らすこと、発生した食品廃棄物を資源として最大限有効活用していく こと、です。
 まず、事業活動を通じて排出される食品廃棄物の発生量を 2025 年までに半減します。SDGs の目標を 先取りし、2015 年度比で 2020 年までに 25%削減、2025 年までに 50%削減します。併せて、店舗・生産 者・リサイクル業者・自治体等の連携による食品資源循環モデルを構築します。2020 年までに全国 10 か 所・グループ 1000 店舗以上で、地域ごとにモデルを構築します。
 持続可能な社会の実現に向け、グループをあげて取り組んでまいります。
  <講演レジュメ/PDF3.7MB

15:50-16:20
『マクドナルドの発生抑制の取組』
 岩井 正人(日本マクドナルド株式会社 コーポレートリレーション本部 CSR 部 マネージャー)

 マクドナルドでは廃棄物対策の基本は発生抑制(食品ロス削減)と考えています。商品の製造にあたっ てはオーダーメイド方式の『メイド・フォー・ユー』での運用などといった厨房機器の入替やシステムの変 更、お客様一人ひとりの嗜好を考えたメニュー構成、そしてお客様と店舗の最前線で働いてくれるクルー の相互協力など様々な取組がされています。そして発生抑制できないものはリサイクルを促進し、循環型 社会の一翼を担っています。また、廃棄物のみならず調達にも配慮し、持続可能な社会の実現に貢献す ることを目指しています。
  <講演レジュメ/PDF2.57MB

16:20-17:50
<パネルディスカッション>
 上記パネラー5 名、進行:山崎 毅(SFSS)

<懇親会> (18:00-19:30) @講演会場ロビー

*参加者アンケートの集計結果(PDF/302KB)

(文責・写真撮影:miruhana)