株式会社セブン-イレブン・ジャパン

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取締役 執行役員 商品本部長 兼、物流管理本部長 兼、QC室管掌
青山誠一

品質管理の取り組み
 セブン-イレブンの主力商品であるおにぎり、弁当、惣菜等のデイリー商品を製造する工場は、全国に65社176工場あります。そのうち92%がセブン-イレブン向けの商品のみを扱う工場となっており、お取引先様であるデイリーメーカー様によって商品製造が支えられ、お客様に安全・安心な商品を日々お届けしています。(数値は2021年9月末時点)
 セブン-イレブン第1号店の開店から5年を迎えた頃、工場の品質管理・衛生管理レベルの向上を目的として、デイリーメーカー様24社によって「日本デリカフーズ協同組合」(以下NDF)が発足しました。相互扶助の考えのもと、衛生基準を整え、生産技術・品質管理を全国で同一レベルに高める取り組みを進めました。その後も原材料調達、商品開発、環境対応等、様々な面において、弊社と共同で取り組みを推進しています。  また、更なる衛生管理レベル向上に向けて、2000年に多品種少量生産、労働集約型産業に即した独自の「NDF-HACCP」を構築し、全工場にて認定を取得いたしました。さらに2018年よりHACCPの制度化に対応すべく、食品安全マネジメント協会(JFSM)*の定めるJFS-B規格の内容を取り込んだ新たな「NDF-FSMS認証制度」へ改正し、2021年3月末に全工場の取得を完了しております。

*食品安全マネジメント協会(JFSM)
 日本発の食品マネジメント規格・認証スキームの構築・運営をするため、農林水産省の呼びかけにより食品関係事業者より設立された一般財団法人。

製・配・販の連携による食品ロス削減の取り組み
 日本における食品ロス削減は重要な課題であり、サプライチェーン全体で食品ロス削減に向けた取り組みを推進しております。
 「製造」においては、工場の衛生管理レベル向上、新たな設備・仕組みの導入、検査精度の向上や原材料の見直しにより、味・品質を向上させながら消費期限の延長を実現いたしました。また、店舗からの発注締め時間を前倒しすることで、余裕を持った製造ができ、食品残渣の削減、生産効率の向上につなげることができております。品質管理業務は非常に重要である一方、地味な業務でもありますが、これらの業務が食品ロス削減につながったことを大変喜ばしく思っております。
 「配送」においては、賞味期限の1/3以内で店舗に納品する慣例、いわゆる1/3ルールを見直し、1/2ルールへ納品条件を変更するとともに、賞味期限の「年月表示」への変更を推進しております。
 また、「販売」においては、店舗にて販売期限のせまった商品をお買い上げいただいたお客様にnanacoポイントを付与する取り組みを2020年5月より開始しており、これにより食品ロス14%削減の効果につなげることができました。
 これら食品ロス削減の取り組みを評価していただき、「サプライチェーンイノベーション大賞2020」にて優秀賞、食品ロス削減特別賞をW受賞することができました。

セブン&アイ『5つの重点課題』と環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』
 セブン&アイHLDGS.では、SDGs達成に向けて、どのような社会を目指し、そのために何をすべきか「5つの重点課題」を定めております。
 また、私たちは商品やサービスの提供を通じて、近くて便利なお店を目指してきた一方で、社会の持続的発展には、社会課題の解決が急務と考えております。そのような現状認識に基づき、環境宣言「GREEN CHALLENGE 2050」を定めました。
 取り組みの一例として、CO2排出量削減のために、店舗に太陽光パネルを設置、LED照明への切り替えを進めております。また、店舗への配送について、メーカーの枠を超えて共同配送を実施することで、配送車両を削減しております。今後は、常温・チルド・冷凍の異なる温度帯の商品を1台のトラックで配送できる取り組みを進め、さらなる配送車両削減を目指します。
 また、お取引先様と連携し、環境負荷低減に向けて、環境省制定の「エコアクション21」の認証取得を通じた省エネ活動に取り組んでおり、認証を取得した工場では、エネルギー、食品残渣、電気使用量の削減効果が認められているだけでなく、経費の節減にもつながっております。
 これらの取り組みにより、NDFと共同で「省エネ大賞2020」を受賞いたしました。今後も加盟店・お取引先様にご協力いただきながら、環境負荷低減の解決に取り組んでまいります。