キユーピー株式会社


キユーピーグループは「おいしさ・やさしさ・ユニークさ」をもって、食生活に貢献いたします。
一人ひとりのお客様に、最も信頼され、親しまれるグループをめざします。Food, for ages 0-100


「良い商品は良い原料からしか生まれない」という原料に対する強いこだわり、キユーピーは、1919年(大正8年)の創業以来、いつの時代にもこの思いを大事に商品づくりに努めてきました。これは、お客様の信頼を得て、長く存続していくために「道義を重んずる」「創意工夫に努める」「親を大切にする(お世話になった方々を大切にする)」という創始者中島董一郎の精神に基づくものです。

キユーピーがお客様に信頼されるグループであるための取り組みとして、食の安全・安心を確保するためのトレーサビリティ・システムがあります。食品に関するトレーサビリティとは、「食品の生産・加工・流通などの各段階でその食品についての足跡情報を速やかにたどれる能力」と定義されています。 キユーピーのトレーサビリティ・システムの大きな特長はFA(ファクトリー・オートメーション)システムが基本になっている点です。FAシステムとは、ITを利用して生産工場の「配合トラブル未然防止」を目ざし、1983年から開発が始まったシステムです。このFAシステムがあったからこそ、開発がスムーズに進みました。キユーピーのトレーサビリティ・システムとはFAシステムに、外部の原料・資材メーカーと出荷後の各情報を、連結させたものです。

≪情報の正確な引き渡しのための「二次元コード」≫

二次元コード ベビーフードのような加工食品のトレーサビリティ・システムの問題は、キユーピー一社だけで作られるものではない点です。つまり、加工食品は原材料を多く使います。肉・魚・米・野菜・果物などの原材料以外にも、醤油・味噌・油などの加工された食品も多く、それらをトレースするのは容易ではありません。 加工食品の製造、流通過程を川の流れにたとえると、キユーピーの工場は川中に位置します。そして、川上は製品の原料生産段階であり、出来上がった製品の流通販売が川下にあたります。川上、川下の各企業の協力があって初めて完成するものです。 キユーピーでは関連企業との情報受け渡しに、従来のバーコードではなく、読み取り機で情報が直接読める「二次元コード」を開発しました。 右図のように川上から川下まで二次元コードを使ったデータを、くまなくコンピュータ管理しています。

≪トレーサビリティ・システムにより
食の安全・安心が守れる理由≫

1,迅速なトラブル原因の究明
ここで大切なのは「迅速な対応」、つまり時間との戦いともいえます。今まで生産、流通などに関する情報はコンピュータ上ではなく、紙で保存していました。そのため1週間以上はかかった追跡調査を、このシステムでは1時間以内に基本的な品質データが確認できることを目標としています。
2,トラブルの拡大防止
トレーサビリティによって食品がどのような経路をたどってお客様のお手元に届いたか、速やかな追跡が可能になります。そして、必要に応じて迅速な回収が可能になります。
3,お客様への速やかな情報提供
お問い合わせいただいた情報をデータベースに照会して対応ができる体制を整えています。

食べることの幸せには、家庭のぬくもりを感じる、感謝するこころを生む、人と人との絆を太くするということがあります。キユーピーは、コーポレートメッセージ"愛は食卓にある。"の想いのもと、おいしさ、やさしさはもちろんのことキユーピーならではのユニークさにさらに磨きをかけ、お客様の食生活に貢献し、一人ひとりのお客様に、最も信頼され、親しまれるグループをめざしていきます。

取材:山崎 毅