食のリスクコミュニケーション・フォーラム2020
第4回:『食品添加物のリスコミ~無添加/不使用表示の弊害とは~ 』(10/25)開催速報

食のリスクコミュニケーション・フォーラム2020
『消費者市民のリスクリテラシー向上を目指したリスコミとは』
第4回テーマ:『食品添加物のリスコミ~無添加/不使用表示の弊害とは~』(10/25)開催速報

【開催日程】2020年10月25日(日)13:00~17:50
【開催場所】オンライン会議(Google Meet)
【主  催】NPO法人食の安全と安心を科学する会(SFSS)
【後  援】消費者庁、東京大学大学院農学生命科学研究科附属食の安全研究センター
【協  賛】日本生活協同組合連合会、一般社団法人食品品質プロフェッショナルズ、東京サラヤ株式会社
【参加費】3,000円/回
     *SFSS会員、後援団体(先着1~2名程度)、メディア関係者(取材の場合)は参加費無料

3人の専門家より、それぞれのテーマに沿ったご講演をいただいた後、パネルディスカッションでは参加者からのご質問に対して活発な意見交換がなされました。

【プログラム】

13:00~14:00 『食品添加物について正しく伝えるには』
        三輪 操(日本農芸化学会フェロー)
14:00~15:00 『無添加表示の犯人はだれなのか―メディアか事業者か市民団体か行政か』
        小島 正美(元毎日新聞)
15:00~15:20 休憩
15:20~16:20 『食品添加物の安全性と無添加/不使用表示』
        西島 基弘(実践女子大学名誉教授)
16:20~17:50 パネルディスカッション
        『食品添加物のリスコミ~無添加/不使用表示の弊害とは~』
        進行:山崎 毅(SFSS)、パネラー:各講師

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三輪操先生


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小島正美先生


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西島基弘先生


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*講演要旨ならびに講演レジュメは以下のとおりです:

①三輪 操(日本農芸化学会フェロー)
『食品添加物について正しく伝えるには』

食品添加物の研究に長く携わり、いろいろな所で講演や講義を行ってきたが、「添加物の有用性・安全性」がうまく伝わらず、もどかしい思いをすることが多い。相手が学生であれば必修科目の単位を取るため必死に勉強するし、科学的に理解してくれる可能性が高い。一方、「何となく不安」、「中学・高校の先生がなるべく使うなと言った」、「無添加表示の食品がたくさんあるということは添加物は危ないのだ」、というような理由で添加物を避けている人たちに対しては、 科学的データを示して、「ほら、大丈夫ですよ」、と言っても、添加物に対する不安が簡単に消えるわけではない。消費者それぞれの立場を考慮した伝え方を工夫する必要があるのではないか。

三輪先生講演レジュメ/PDF:2.14MB

②小島 正美(元毎日新聞)
『無添加表示の犯人はだれなのか―メディアか事業者か市民団体か行政か』

食品添加物の危険性を煽る人たちを分類すると以下の4つだ。①週刊新潮のような週刊誌、②週刊誌に登場する市民活動家とその学者、③無添加で商売をする事業者、④学校給食は無添加にすべきだとする学校関係者。この4者の影響力で得をする人、損をする人はだれなのか。損失を被っている人は何をすればよいのか。そもそも食品添加物のリテラシーを上げる目的とメリットは何なのか。このままだと何が問題かを、もう一度、ゼロから考えてみることが必要ではないだろうか。

小島先生講演レジュメ/PDF:2.45MB

③西島 基弘(実践女子大学名誉教授)
『食品添加物の安全性と無添加/不使用表示』

食品添加物は、国として安全性や有効性、各種の規格など厳しい条件を満たしたものについて認めたものです。このことも知らない消費者が多いのが実態です。昔から食品添加物無添加/不使用の表示は少しありましたが「着色料、保存料不使用」という大手コンビニのコマ―シャルで火が付き、その後は他のコンビニも追従し、次いで中小メーカーの製品にまで不使用表示が書かれるようになりました。それにより消費者は食品添加物を使用していない食品が安全と思う人 も増え、無添加/不使用を書かないと売れないと思い込むメーカーも出てきました。添加物不使用についての矛盾と弊害を考えてみたいと思います。

西島先生講演レジュメ/PDF:342KB

*なお、参加者アンケートの集計結果は後日掲載します。

(文責・写真撮影:miruhana)