食のリスクコミュニケーション・フォーラム2015 第2回 速報

【第2回テーマ】 「消費者目線のリスコミのあり方」
【開催日程】2015年6月28日(日)13:00~17:40
【開催場所】東京大学農学部フードサイエンス棟 中島董一郎記念ホール
【主催】 NPO法人食の安全と安心を科学する会(SFSS)
【共催】 一般財団法人社会文化研究センター
【後援】 消費者庁、東京大学大学院農学生命科学研究科食の安全研究センター
【参加費】 3,000円/回

3人の先生方より、消費者目線での 食のリスクコミュニケーションのあり方について、ご講演いただきました。また、パネルディスカッションでは会場の参加者からのご質問に対して、演者の先生方から丁寧にご回答をいただき、活発な議論がされました。

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古川雅一先生


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鬼武一夫先生


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戸部依子先生


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パネル・ディスカッション


【講演要旨】

『消費者の購買行動に影響を与えるリスコミ』
    古川 雅一(東京大学)

人は日々様々な意思決定をしているが、その判断が必ずしも合理的とはいえない。その背景には、リスクといった物事の起こりやすさに対する認識、損得に対する認識などにおいて、人間の非合理性が存在するからである。本講演では、まず、人間の非合理性の特性を理解する。そして、購買行動や健康行動における非合理性、消費者のリスク回避的行動について考える。また、食品に対する安心感とも関連する添加物の有無、産地、賞味期限といった食品表示情報が消費者の購買行動にどのような影響を与えるのか、アンケート調査の結果の概要を報告する。


『国際的消費者視点のリスコミのあり方』
    鬼武 一夫(日本生活協同組合連合会)

近年、グローバル、地域および国内における食品媒介感染症の発生および大規模なる食品回収は、食糧供給と農業食品の生産と貿易の安全性に対する消費者の信頼に悪影響を及ぼしています。このようなイベント後の解析では、リスクコミュニケーションの原則と実践をより効果的に使用することの重要性を示しています。国が発展して、既存のリスクコミュニケーション計画や食品の安全性に適用される実践を評価し、自身または他国の経験から学ぶことが奨励されています。インターネットやソーシャルメディア技術の使用の増加に伴い、より大きい透明性およびより顕著な食品安全性リスクコミュニケーションへの公開の需要は、食品安全性およびより広範な公衆衛生セクターの効果的なリスクコミュニケーション戦略の重要性を確認して予期できます。今回、海外の事例を参考として、国際的なる消費者視点のリスクコミュニケーションのあり方について、皆さんと考えていきたいと思います。
鬼武先生のレジュメはこちらPDF/4.38MB


『消費者視点の食品企業のコミュニケーション』
    戸部 依子(日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会)

企業と消費者のコミュニケーションについて、従来は、事業者の"迅速""正確""誠実"な対応が求められていました。現在では、対応を受ける側、つまり消費者の視点と対応の結果に着目した"満足""信頼"が求められています。さらに、SNSが普及した社会にあっては、製品やサービスのターゲットユーザーだけでなく、多くの関係者との即時的なコミュニケーションの実現に向けた"計画"の必要性、重要性が示唆されます。企業と消費者の相互の "想定外"を"想定内"にするための取組としても"計画"は重要です。世の中の変化よりもちょっと先を行くコミュニケーションを一緒に考えましょう。
戸部先生の講演レジュメはこちらPDF/1.58MB


なお、今回のフォーラム全体(4回シリーズ)のご案内ならびに
第1回の速報は以下のサイトにてご確認ください:

 ⇒ http://www.nposfss.com/riscom2015/
 ⇒ http://www.nposfss.com/cat9/risk_comi2015_01.html

また、昨年のリスクコミュニケーション・フォーラムの活動報告は、以下のサイトでご覧ください:
 ⇒ http://www.nposfss.com/cat1/risc2014.html


次回の食のリスクコミュニケーション・フォーラムにも、ご期待下さい!

(文責:山崎 毅)