厚労省報告:牛レバーからO157検出のニュースについて

 牛レバーからO157検出

東京大学農学部教授で食の安全研究センター長の関崎勉先生に今回の記事について理事長の山崎が質問をいたしました。

山崎: 「今回の報告は既知のリスク情報と比較してどう違うのか?そのインパクトは?」

関崎: 「腸内の細菌は胆汁酸に耐性ですので、胆嚢に潜む菌があることは昔から知られています。
特に、サルモネラを動物の臓器から分離する場合には、胆嚢は必ず検査します。
それから考えると、胆嚢と肝臓は管で繋がっていますので、肝臓へも菌が移動することはあり得る事です。
以前、カンピロバクターが肝臓から分離されたことや、今回のO157が肝臓から分離されたことは、専門家からすれば当然の成績です。
リスクは、以前と何ら変わりません。」

山崎: 「レバー内部からO157が検出されたとの報告だが、肝臓表面からのコンタミの疑いはないか?」

関崎: 「検出されることは、当然の結果です。
これまで分離されていなくて、今になって初めて分離されたのではなくて、そういう検査をしてこなかっただけです。」

山崎: 「外食産業ではいまだレバ刺しが自粛という扱いだが、出荷停止にするべきか?」

関崎: 「どれくらいの確率で、どれくらいの菌数がレバー内部に存在して、それをどれくらいの量食べると、どれくらい重篤な食中毒を起こすかを考えて、どうするか決めるべきです。しかし、今まで食べてきて、ある程度の確率で、レバ刺しを原因とする食中毒は起こっていました。そもそもレバーとはそういうものなのだという認識を持つべきですし、一方で正しい知識がある人が調理するなら、出荷停止にする必要はないと思います。
それよりも、調理する人の資格とか免許とかを考えたらいいのではないでしょうか。
また、その程度のリスクがある生レバーをお年寄り、子供、体調の悪い人などが食べてはいけないということを、もっと広く知らせることが大切と思います。」

山崎: 「なるほど。食中毒の起こる確率をできるだけ低くするためにはそのリスクの度合いを正しく理解している人が調理することが最も重要で、今回の厚労省報告で新たに牛刺しの危険性が高くなったわけではないのですね?」

関崎: 「問答無用の出荷停止ではなく、調理方法のガイドラインや調理師資格で食中毒のリスクをゼロに近づけることができれば、食文化を守るという意味でもよいように感じました。」

山崎: 「今後も関崎先生にはO157や食中毒の問題について
いろいろご教示いただきたいと思います。」