食のリスクコミュニケーション・フォーラム2015 第4回 開催速報

◎食のリスクコミュニケーション・フォーラム2015 (4回シリーズ)
【第4回】『消費者が過敏になりがちな「ハザード」に関してのリスコミ』

【開催日時】2015年10月25日(日)13:00~17:40
【開催場所】東京大学農学部フードサイエンス棟 中島董一郎記念ホール
【主 催】NPO法人食の安全と安心を科学する会(SFSS)
【共 催】一般財団法人社会文化研究センター
【後 援】消費者庁、東京大学大学院農学生命科学研究科食の安全研究センター
【参加費】3,000円/回
【定 員】40名

「食の放射能汚染」「食品添加物」「遺伝子組み換え作物」をテーマとし、
3人の演者にリスコミのあり方を踏まえたご講演をいただきました。
また、パネルディスカッションでは会場の参加者からのご質問に対して、
演者よりご回答をいただき、活発な意見交換が行われました。

【プログラム】
13:00~14:00 『食・農業環境の放射能汚染』  田野井慶太朗(東京大学大学院農学生命科学研究科)
14:00~15:00 『食品添加物メーカーは何を語るべきなのか』 荒井 祥(上野製薬株式会社)
15:00~15:20 休憩
15:20~16:20 『遺伝子組み換え作物のリスコミのあり方』 佐々木 幸枝(日本モンサント)
16:20~17:40 パネルディスカッション
          『食の安全・安心の最適化にリスコミは有効か?』
           進行:山崎 毅(SFSS)、パネラー:各講師

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田野井慶太朗先生


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荒井祥先生


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佐々木幸枝先生


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パネルディスカッション


【各演者の講演要旨ならびにレジュメ】

『食・農業環境の放射能汚染』  田野井慶太朗(東京大学大学院農学生命科学研究科)

2011年3月の東日本大震災から、早くも4年半が経過しました。この間、福島第一原子力発電所事故による農地の放射能汚染に対するリスクも大きく変化してきています。本講演では、事故当初から現在に至る過程において、放射性物質、特に放射性セシウムが我々の食を汚染する度合いについて数値を読み解きながら、放射能汚染のリスクについて考えたいと思います。
田野井先生講演レジュメ/PDF22.6MB

『食品添加物メーカーは何を語るべきなのか』 荒井 祥(上野製薬株式会社)

消費者は食品添加物に過敏なのだろうか。実際に被害の出ている「食中毒」や「いわゆる健康食品」よりも、食品添加物に不安を感じているという調査結果があるので、過敏といえるかもしれない。しかしその割には、買い物の時にあまり気にしていないし、調べることもしない、かと言ってよく理解しているわけでもないという調査結果もある。 消費者は、食品添加物について情報を得る機会が少なく、正確な認知ができていないために、なんとなく不安になっているのだと思う。このような人たちに食品添加物メーカーとして何を語るべきなのだろうか。あるリスコミでの講演事例を示すので、皆様のご意見をおうかがいしたい。
荒井先生講演レジュメ/4.76MB

『遺伝子組み換え作物のリスコミのあり方』 佐々木 幸枝(日本モンサント)

遺伝子組換え作物、食品に関するイメージを聞くといまだにネガティブなイメージを持たれることが多いが、実際にどのような技術かとたずねるとその技術について正確に理解している方はかなり少ない。しかし技術の有用性や安全性について科学的な説明をいかに尽くしても、それが安心感や受け入れに即つながるとは言えないと実感している。インターネットの普及に伴い、科学的事実とは別に、遺伝子組換え作物の危険性や問題点をあおるような都市伝説的な情報も氾濫する中で、情報の信頼性、納得感、共感できる価値をいかに創造していけるかが問われているように感じる。
佐々木先生講演レジュメ/1.96MB

なお、パネルディスカッションのQ&Aまとめ、ならびに参加者アンケート集計結果は、
後日またご報告いたしますので、少々お時間をください。

◎食のリスクコミュニケーション・フォーラム2015(4回シリーズ)

 【第3回】 「世間が目にする食品リスクとリスク管理の実際」
  ⇒ http://www.nposfss.com/cat9/risk_comi2015_03.html

 【第2回】 「消費者目線のリスコミのあり方」
  ⇒ http://www.nposfss.com/cat9/risk_comi2015_02.html

 【第1回】 「国際的視野におけるリスコミのあり方」
  ⇒ http://www.nposfss.com/cat9/risk_comi2015_01.html

(文責:山崎 毅)