第11号 2012.9/13

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       NPO食の安全と安心を科学する会 2012.9.13 第11号
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9月に入り秋が近づいてきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

夏の猛暑から穏やかな過ごしやすい天気になると、秋の味覚、紅葉が楽しみですね。
皆様はこの秋をどのように過ごされる予定でしょうか?

さて、おかげさまでNPO「食の安全と安心を科学する会」の第11号のメールマガジンを発信する
運びとなりました。


今回のメルマガでは、当NPOの活動報告として、食の安全と安心フォーラムⅤ
テーマ:食育:食の安全性と機能性を正しく理解するために、
ふくしま再興フォーラム テーマ「食の安全は守られているか」 ~福島における安全確保の取り組み~、
また、このたび当NPOが後援することになりました
東京大学食の安全研究センター/神戸大学食の安全・安心科学センター 共同開催フォーラム
「日本の食の安全を考える」と「JRA被災地支援対策事業に関する調査研究発表会」についてのシンポジウム案内、
最新の学術情報として、NPO食の安全と安心を科学する会理事 京都大学名誉教授 小川 正先生による
「我が国のアレルギー食品の表示と検出法の国際的評価と今後の食物アレルギー対策の問題点」、
企業の食への取り組みとして、株式会社蓬莱の活動を紹介します。

どうぞ御拝読ください。

NPO「食の安全と安心を科学する会」の活動状況をはじめ、皆様のお御役に立つ、
有益な情報をタイムリーに発信していきたいと思っております。
今後ともよろしくお願いいたします。

http://www.nposfss.com/

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【本日の内容】
◇活動報告
食の安全と安心フォーラムⅤ
テーマ:食育:食の安全性と機能性を正しく理解するために

ふくしま再興フォーラムテーマ「食の安全は守られているか」
~福島における安全確保の取り組み~

◇シンポジウム案内
「日本の食の安全を考える」
東京大学食の安全研究センター/神戸大学食の安全・安心科学センター 共同開催フォーラム

JRA被災地支援対策事業に関する調査研究発表会

◇我が国のアレルギー食品の表示と検出法の国際的評価と今後の食物アレルギー対策の問題点
NPO食の安全と安心を科学する会理事
京都大学名誉教授 小川 正

◇企業の食への取り組み
 株式会社蓬莱

◇NPO「食の安全と安心を科学する会」活動報告および今後の活動予定


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□■ 活動報告 □■

■食の安全と安心フォーラムⅤ
テーマ:食育:食の安全性と機能性を正しく理解するために

2012年7月28日(土)、東京大学農学部フードサイエンス棟中島董一郎記念ホールにて標題のシンポジウムが開催されました(主催:NPO食の安全と安心を科学する会、後援:東京大学食の安全研究センター)。今回で5回目をむかえた本フォーラムでは、食に関する各分野の専門家を招き、食育、そして食の安全性と機能性についてご講演をいただきました。

午後一番の基調講演では、服部学園理事長、服部栄養専門学校校長の服部幸應先生より「食育の現在・過去・未来」とするご講演をいただきました。「いまの日本は、親のしつけに問題があり、その結果食も含めて子供たちのライフスタイル自体が崩壊してしまって、国家として危ない」といように、服部先生らしい独特の口調で食育の必要性を説かれました。

また、東京大学食の安全研究センター長で教授の関崎勉先生からは、「生食について考える。食中毒対策への提言」と題して、いま最も話題になっている7月からの「牛レバ刺し全面禁止」も含めたO157、カンピロバクター、サルモネラなどの細菌による食中毒の実態ととるべき対策について、規制を無理に厳しくすることよりも、消費者が「informed
choice」により自己判断できるような学術啓発活動のほうが大事である、というご講演がありました。その他、食の微生物汚染については、「食品の汚染カビをめぐる危害と安心・安全」と題して、
国立医薬品食品衛生研究所客員研究員の高橋治男先生よりわかりやく解説していただきました。

後半では、食の機能性について神戸大学食の安全・安心科学センター長で教授の大澤朗先生から「食品の機能性評価の新展開」と題して、茶カテキンの吸収を改善させる乳酸菌の役割について、また関西福祉科学大学教授、東京大学食の安全研究センター特任教授の倉恒弘彦先生から「疲労・抑うつと食との関連、抗疲労トクホに向けて」と題して、大変興味深いご講演をいただきました。機能性食品に関しても、より明確なエビデンスが要求される時代になってきたと実感する内容でした。

午前中のセッションでは、食の安全に関する消費者の意識と購買行動について、東京大学の細野ひろみ先生と古川雅一先生からご講演をいただくとともに、山崎より「食の安全を安心に変える学術啓発活動とは?」と題して、リスクコミュニケーションのポイントをお話ししました。

モノ造りをしている方々は、昨年の原発事故以来、大きなフラストレーションを感じておられたはずです。それは、科学的に安全なはずの食品に対して安心できない消費者がたくさん現れたということではないでしょうか?山崎はこういった消費者を「フードインフォマフィラキシー(食品情報過敏症)」と呼んで、リスク情報の認知バイアスであることを消費者に自覚してもらえるよう、学術啓発活動を展開しています。

続きは下記URLよりご覧ください↓
http://www.nposfss.com/cat1/post_27.html


■ふくしま再興フォーラムテーマ「食の安全は守られているか」
~福島における安全確保の取り組み~

2012年7月21日(土)、郡山市視聴覚センター(市立図書館内)にて、当NPO食の安全と安心を科学する会と福島中央テレビの共催による「ふくしま再興フォーラム」が開催されました。

本フォーラムは、食品の放射能基準が厳しくなる中、福島で作られている農作物が、今どのような状況にあるのか、安全で安心できる作物の生産への取り組みは、どのように進められているのか、福島県の復興支援の一環として、当NPOと福島中央テレビが「福島の食の安全確保について考えるフォーラム」を企画開催したものです。

さらに、当NPO理事長の山崎毅をコーディネーターに、パネルディスカッションが行われ、福島県の農業関係の方々、一般市民、メディア関係の方々等、関係者も含めて80余名の参加者の方々と、生産現場からみた福島の食の安全確保の取組みについて意見交換を行いました。

現在、東京大学大学院農学生命科学研究科では、福島県や福島大学などの協力を得ながら、稲や果樹などの作物、その土壌、畜産、水産など幅広い分野で、原発災害の影響を調べ、その対策を立てる活動が行われております。

本フォーラムでは、その中から、東京大学大学院農学生命科学研究科
中西友子教授に、大学としての取組み全般、東京大学大学院農学生命科学研究科附属牧場教授の眞鍋昇先生より、乳牛、豚などの畜産についての調査と対策、東京大学大学院農学生命科学研究科
田野井慶太朗准教授より、イネ、果樹などへの移行実態と対策について、放射性物質の移行の状況と今後の対策、福島県内の取組みの一例など、福島の食の安全確保について、それぞれご講演いただきました。

さらに、当NPO理事長の山崎毅をコーディネーターに、パネルディスカッションが行われ、福島県の農業関係の方々、一般市民、メディア関係の方々等、関係者も含めて80余名の参加者の方々と、生産現場からみた福島の食の安全確保の取組みについて意見交換を行いました。


「ふくしま再興フォーラム」のアンケート結果を、当サイトの「アーカイブ」に掲載しております。
下記URLよりご覧ください。↓
 ☆ふくしま再興フォーラム アンケート結果
 http://www.nposfss.com/cat7/2012721.html

「ふくしま再興フォーラム」の詳細につきましては、福島中央テレビのホームページに活動報告が掲載されています。↓
☆各先生方の講演とパネルディスカッションの模様が動画で紹介されています。
 下記URLよりご覧ください。
 http://www.fct.co.jp/tsunagaro/f_saikoforum/


□■ シンポジウム案内 □■

このたび、当NPOは、東京大学食の安全研究センター/神戸大学食の安全・安心科学センター
共同開催フォーラム「日本の食の安全を考える」と「JRA被災地支援対策事業に関する調査研究発表会」を後援することになりました。

いずれのフォーラムも参加人数に限りがありますので、この機会をお見逃しなく、早めのお申込みをお奨めいたします。
なお、詳細と参加申込みにつきましては、以下をご覧ください。


■「日本の食の安全を考える」
東京大学食の安全研究センター/神戸大学食の安全・安心科学センター 共同開催フォーラム
日時:9月20日(木)‐21日(金)
場所:東京大学農学部弥生講堂・一条ホール(東京メトロ南北線「東大前」下車、徒歩2分)
主催:東京大学大学院農学生命科学研究科食の安全研究センター 神戸大学大学院農学研究科食の安全・安心科学センター
後援:食品安全委員会、消費者庁、厚生労働省、農林水産省、独立行政法人農林水産消費安全技術センター、NPO食の安全と安心を科学する会(順不同)

プログラム(内容は予定なく変更になる場合があります)

○9月20日(木) ~感染症と食の安全保障・安定確保~

開会の挨拶 10:00-10:10
 長澤寛道(東京大学大学院農学生命科学研究科長)
 大澤朗(神戸大学大学院農学研究科食の安全・安心科学センター長)

下痢原性大腸菌 10:10-10:50
 大西真(国立感染症研究所細菌第一部長)

生産現場におけるサルモネラのリスク低減 10:50-11:30
 宮下隆(キユーピー株式会社研究開発本部技術研究所食品安全技術部次長)

カンピロバクター 11:30-12:10
 五十君静信(国立医薬品食品衛生研究所食品衛生管理部第一室長)

(休憩 12:10-13:30)

魚介類とビブリオ感染症:アジアにおける腸炎ビブリオ食中毒とコレラ 13:30-14:10
 中口義次(京都大学東南アジア研究所人間生態相関研究部門特任准教授)

(休憩 14:10-14:30)

植物病害と食の安全-イネとコメを例として 14:30-15:10
 土佐幸雄(神戸大学大学院農学研究科生命機能科学専攻教授)

植物医科学が食の安全に果たしうる役割 15:10-15:50
 山次康幸(東京大学大学院農学生命科学研究科生産・環境生物学専攻特任准教授)

(休憩 15:50-16:10)

パネルディスカッション「感染症と食の安全について」 16:10-17:10
 大西真氏、宮下隆氏、五十君静信氏、中口義次氏、土佐幸雄氏、山次康幸氏

食の安全に密着した大学センターの概要と活動(神戸大学・岩手大学・東京大学)17:10-17:50
 佐藤繁(岩手大学農学部動物医学食品安全教育研究センター長) 大澤朗(神戸大学大学院農学研究科食の安全・安心科学センター長)
関崎勉(東京大学大学院農学生命科学研究科食の安全研究センター長)

懇親会 18:00-20:00
 東京大学農学部弥生講堂アネックス・セイホクギャラリー


○9月21日(金) ~物理化学汚染と食品の安全保障・安定確保~

 開会の挨拶 10:00-10:10
 関崎勉(東京大学大学院農学生命科学研究科食の安全研究センター長)

食品によるダイオキシンリスクの軽減の可能性 10:10-10:50
 福田伊津子(神戸大学大学院農学研究科食の安全・安心科学センター助教)

カビ毒の生産阻害による汚染防除 10:50-11:30
 作田庄平(東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命化学専攻准教授)

食品中のアレルギー誘発性物質-リスク低減化に向けて 11:30-12:10
 八村敏志(東京大学大学院農学生命科学研究科食の安全研究センター准教授)

 (休憩 12:10-13:30)

放射性物質 13:30-14:10
 福本学(東北大学加齢医学研究所腫瘍制御研究部門教授) (休憩 14:10-14:30)

残留農薬 14:30-15:10
 宮川恒(京都大学大学院農学研究科応用生命科学専攻教授)

食品中の重金属 15:10-15:50
 吉村悦郎(東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命化学専攻教授)

(休憩 15:50-16:10)

パネルディスカッション「物理化学汚染と食の安全について」 16:10-17:20
 福田伊津子氏、作田庄平氏、八村敏志氏、福本学氏、宮川恒氏、吉村悦郎氏 閉会の挨拶 17:20-17:30
大澤朗(神戸大学大学院農学研究科食の安全・安心科学センター長)

 定員:250名(先着申込順)

参加費:無料
(懇親会参加の場合は、5,000円を当日受付いたします)

詳細につきましては、以下のURLよりご確認ください。
http://www.frc.a.u-tokyo.ac.jp/event/120920.html
http://www.facebook.com/Todai.foodscience
http://www.nposfss.com/cat2/post_28.html


■JRA被災地支援対策事業に関する調査研究発表会
【日時】平成24年10月4日(木)
10:30~17:00(開場10時)
【場所】東京大学弥生講堂・一条ホール
入場無料(定員:250名)
【主催】国立大学法人 東京大学大学院農学生命科学研究科
食の安全研究センター
(財)全国競馬・畜産振興会
【後援】NPO 食の安全と安心を科学する会
【お問合わせ】(財)全国競馬・畜産振興会 03-3506-7853
【交通案内】○地下鉄 東京メトロ 東大前駅(南北線)徒歩1分
東京メトロ 根津駅(千代田線) 徒歩8分

【講演内容】
1.「被災地の畜産復興に向けた支援活動について」
 (社)中央畜産会 副会長 菱沼 毅

2.「飼料作物の放射線測定調査」
 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 草地管理研究領域
 上席研究員 山本 嘉人

3.「汚染稲わら及び汚染稲わら給与家畜堆肥の放射線量軽減実証調査」
 (社)日本草地畜産種子協会 草地畜産部主幹 岡野 和夫

4.「原発事故における中線量率区域の繁殖牛等を用いた体内汚染分布図の作成」
 学校法人 北里研究所 北里大学 獣医学部 教授 伊藤 伸彦

5.「放射性物質による豚への影響調査」
 国立大学法人 東京大学 大学院農学生命科学研究科 教授 眞鍋 昇

6.「被災地畜産物に係るシンポジウム開催等の活動」
 (財)日本食肉消費総合センター 調査研究部長 古賀 南加子

7.「放射性物質をめぐる消費者の意識・知識と行動」
 国立大学法人 東京大学 大学院農学生命科学研究科 准教授 細野 ひろみ

詳細につきましては、以下のURLよりご確認ください。
http://www.nposfss.com/cat2/jra.html


□■ 我が国のアレルギー食品の表示と検出法の国際的評価と今後の食物アレルギー対策の問題点 □■
NPO食の安全と安心を科学する会理事 京都大学名誉教授 小川 正

 食物アレルギー患者の増加が危惧される中、アナフィラキシーを伴う重篤な臨床症状を惹起する卵や牛乳、そばなどの食品成分が食品加工に利用され、これを誤って摂取した患者における事故が先進国において問題化し、WHO/FAOの食品の表示に関わる国際機関・CODEX委員会による勧告に基づき、日本が世界に先駆けて平成14年に特に重篤な臨床症状を惹起する特定原材料5品目を食品衛生法において表示を義務化して以来、8年が経過した平成22年からさらに2品目が追加され、さらに、これらに準じる18品目の食品(成分)が表示推奨食品として指定されている(表1)。

 表示の義務化に伴い、これら食品の存在を高感度、高選択性を維持して検出あるいは定量・定性分析できる方法の確立されることが必須である。我が国における分析法は、食品中のたんぱく質に対して調製された特異性の高い抗体を用いたELISA(酵素標識免疫測定法)を基本にしている。10μg/
g(ml)すなわち10ppm濃度を基準とし、この値が測定されると「微量を超える特定原材料が混入している可能性があると」判断するとしている。表示義務特定原材料に関しては高感度・高選択性を満たすELISA測定キットが複数の企業より提供されている。

先年、カナダで開催されたアレルゲン検出法に関するシンポジウムで国立食品医薬品衛生研究所(穐山氏)が紹介した我が国のアレルギー表示制度および検出法の確立に至る過去8年の経過報告は、世界各国の政府関係者・研究者らによって高く評価され*、日本が採用している10μg/g(10ppm)の表示閾値が国際標準として各国をリードしていくことが期待されている。また、ごく微量の混入はウエスタンブロット(免疫染色法)が応用され、0.1μg~1μg/g(0.1~1ppm)の微量混入を定性的に検出可能である。この場合、ELISAと異なり、電気泳動との組み合わせにより個別のアレルゲンたんぱく質を検知することが可能である。

 近年、花粉のたんぱく質で感作を受けて花粉症になった患者が、感作を受けたことがない(アレルギーを起こしたことの無い)植物性食品素材(果物や野菜類)を摂取して、突然にそこに含まれる同じ仲間のたんぱく質(相同たんぱく質とも呼ばれ、生物の進化の過程で大きな変化を受けずに保存されてきたもので、お互いのたんぱく質間のアミノ酸の配列がある程度同じ)に対して交差反応(抗原抗体反応を起こし、結果としてアレルギー症状を惹起することにより、時として重篤なアナフィラキシーを発症する事例が多々報告されるようになってきている。

さらに、作物栽培の過程で、ストレス(微生物感染、虫害、塩害や乾燥など)を受けるとこれを防御するためのたんぱく質(感染防御たんぱく質:PR-P)を産生することが知られている。これらのたんぱく質の多くが、最近の研究で旧来型のアレルゲン(クラスI)に対して植物界の汎アレルゲン(相同たんぱく質として広く分布する)として食物アレルギーの発症に関与していることが明らかにされて、クラスⅡアレルゲンとして分類されている。

こういった事象に対して、現在は注意喚起などの対応をとることしかできないが、今後の食物アレルギー対策としては、「花粉の種類と対応する果物・野菜の種類、交差反応を起こすたんぱく質の存在量、感染防御たんぱく質の種類と存在量などに関する情報提供が、アレルギー患者にとって安全かつ安心な食生活を保障するうえで重要になってくるであろう。

参考例として、虫害をうけた自然栽培の大豆・枝豆の被害状況とアレルゲンの増加を図1-a,bで示した(今月の農業、2008;9;46-52)。*Akiyama
H. et al.: Japan Food Allergen Labeling
Regulation-History and Evaluation.  Advances in Food and Nutrition
Research, 62, 139-171 (2011)

本文中の図表につきましては、以下URLよりご確認ください。
http://www.nposfss.com/cat7/post_29.html


※お詫びと訂正
本文に関連しまして、季刊誌第6号に誤記が見つかりましたので、下記のとおり訂正します。↓

季刊誌第6号の「我が国のアレルギー食品の表示と検出法の国際的評価と今後の食物アレルギー対策の問題点」中の、
・7行目、「19品目の食品(成分)が表示推奨原材料として指定されている」は、「18品目の食品(成分)が表示推奨原材料として指定されている」でした。
・表1「・・・表示義務特定原材料(7品目)」にそば、落花生の2品目が抜けおちており、正しくは「卵、牛乳、小麦、そば、落花生、えび、かに」でした。
・表内の「表示推奨原材料」の18品目中14品目の「まったけ」は、「まつたけ」でした。

季刊誌の購読者様ならびに関係者の皆様にご迷惑をおかけしましたことをお詫びするとともに、訂正いたします。

なお、SFSSホームページのアーカイブ欄に修正ページ、季刊誌バックナンバーの欄へ修正版(PDF)を掲載しておりますので、
以下URLよりご確認ください。
・我が国のアレルギー食品の表示と検出法の国際的評価と今後の食物アレルギー対策の問題点
 http://www.nposfss.com/cat7/post_29.html
・季刊誌バックナンバー
 http://www.nposfss.com/mail/cat/sfss6.html


□■ 企業の食への取り組み □■
株式会社蓬莱

■変わらぬ安心、いつもの味で

大阪を語る味の文化に登場する豚まんの「551蓬莱」は、昭和20年に難波新地で、
当時カレーライスが大人気だった蓬莱食堂で創業しました。
戦後、台湾から食不足の日本に温かい手作りで、親しみやすい家庭で食べる味を広めたいと努力を重ねました。
家族が居る目の前で作る料理を美味しく食べていただく。その日に食べるものだから作り貯めする必要もなく
余計なものを使わずロスも出ない。お客様に今日食べていただく分だけ作ればいいという考えで、
長年関西にしか店舗がありませんでした。新幹線の中で、いい匂いに釣られて目をやると
551蓬莱の包みに出会った経験のある方も多いのではないでしょうか?
今では1日に14万個もの豚まんを作り出す本社工場で、一つ一つの顔が違う全て手包みということにも驚きです。
店舗が増えるほど当日作る準備に出勤時間もドンドン早くなるというマンパワーの凄さが、
誰もがおなじみの大阪名物として食の文化を生み出した551蓬莱の企業姿勢に裏打ちされています。
作る側の理論ではなく、常にお客様側に立った姿勢で調理の実演販売を続けています。
"今作ってるからもうちょっと待っといてね"という母の愛情あふれる背中から聞こえてきそうな
販売スタイルに豚まんの愛好家が多いのも頷けます。夏の風物詩となる蓬莱のアイスキャンデーも
多くの人に愛されるいつもの味です。

≪日々の努力が、お客様からの笑顔のご褒美へ≫
ある時~!!(笑い声)、ない時~...(静まり返る)」のテレビCMを長年続けている551蓬莱の魅力は、
どうも先代の社長から受け継ぐ現在の羅社長のお人柄によるものと思えます。
今回、総務部長の柏本政幸さんからの話の端々に社長のお人柄がにじむエピソードが溢れていました。
その日に作った温かいものをお客様に食べていただきたいという思いが、逆に新しい事業を生み出しました。
大阪でしか買えない「豚まん」を東京の娘に送ってやりたいと思いましたが、温かい豚まんは宅急便では
送ってもらえないので、わざわざ扇風機でさまして送っているお客様のことを伝えるとそのお客様のために
美味しく食べていただくにはどうしたらいいか?とそれが後に"おとりよせ"で申し込めば、
全国で「豚まん」が手に入る通販事業になりました。
【ネット通販】http://shop-551horai.co.jp

セイロで蒸したホクホクの豚まんを食べるとつい笑みがこぼれる幸せな味。大阪人をとりこにしてしまったのは、
あのボリュームで1個160円を守っていることも大きな理由。大阪の初乗り運賃より高くしないことを
守っているのだそうです。ある日、社員が材料高騰の折、値上げの提案を羅社長に持ちかけたところ
水1滴無駄にしていないか?全てにおいて無駄がないか?そこから見直すことが先だろうと
取り上げてもらえませんでした。お客様に尽くして、与えて与えて与え抜いた者だけが、
Give&Takeを頂くことができる。それは、先代からの受け継がれたお客様への変わらぬ理念になっている言葉でした。
親がした通りになる子どものように従業員のリクルートでのメッセージを最後にご紹介します。
「お客様、働く人、地域社会「食」という文化を通して、551蓬莱に関わる全ての人に喜びを感じていただくために
日々努力をしています。」そして「商売人」として将来の大きな夢を持っている人のみ、是非応募してほしい。
~株式会社蓬莱 代表取締役 羅 辰雄~

誰からも愛される551蓬莱は、これからも日本中を魅了し続けて行くことでしょう。


インタビュー聞き手:芦内裕実

 

□■ NPO「食の安全と安心を科学する会の今後の活動予定および活動報告  □■

【今後の活動予定】
○2012年
9/20(木)~21(金)
東京大学食の安全研究センター/神戸大学食の安全・安心科学センター共同開催フォーラム
「日本の食の安全を考える」
会場: 東京大学農学部弥生講堂・一条ホール
後援: NPO食の安全と安心を科学する会(SFSS)


10/4(木)
JRA被災地支援対策事業に関する調査研究発表会
会場: 東京大学弥生講堂・一条ホール 入場無料(定員:250名)
主催: 国立大学法人 東京大学大学院農学生命科学研究科 食の安全研究センター
    (財)全国競馬・畜産振興会
後援: NPO 食の安全と安心を科学する会


【活動報告】
○2010年
12/10(金) 東京大学大学院農学生命科学研究科フードサイエンス棟竣工記念
 関連サテライトシンポジウム
詳細はこちら→ http://www.nposfss.com/cat1/0.html

○2011年
4/11(月) 小座談会『食の安全と安心フォーラム』
シリーズ第1回 テーマ「飲食物の放射能汚染から考える食の安全と安心の
将来について」(於東大FS棟)

4/14(木) 同 シリーズ第2回(於SFSS関西事務所)

※今般の原発事故をうけて、緊急座談会『食の安全と安心フォーラム』を
4/11(東京)、4/14(大阪)で開催しました。

内容については、当NPOのホームページをご参照ください。
☆2011年5月2日 緊急座談会『食の安全と安心フォーラム第1回(4/11)』
 http://nposfss-new.blogspot.com/2011/05/1.html

また関係記事として、理事長雑感ブログもご参照ください。
☆2011年3月26日 飲食物の放射能汚染について(理事長雑感)
 http://nposfss-ty.blogspot.com/2011/03/blog-post_26.html

6/26(日)食の安全と安心フォーラム シリーズ第3回
 テーマ:昨今の食品問題から考える食の安全と安心の未来について
 http://nposfss-new.blogspot.com/2011/07/3.html

9/1(木)~2(金) シンポジウム「食の機能性・安全性、そして安心を科学する」(神戸大・東大共催)
   (於神戸市産業振興センター「ハーバーホール」)
  当NPOが後援し、山崎理事長が「食の安全と安心の最適化への取り組み」について講演しました。

内容については、当NPOのホームページをご参照ください。↓
http://www.nposfss.com/cat9/1.html
http://www.nposfss.com/cat1/4.html

○2012年
1/29(日) 一般公開シンポジウム(当NPO主催)
「食の安全と安心フォーラムⅣ ~食の放射能汚染と健康影響について科学する~」

7/21(土)ふくしま再興フォーラム「明日を拓く」
「食の安全は守られているか」
  ~福島における安全確保の取り組み~


7/28(土)食の安全と安心フォーラムV
 「食育:食の安全性と機能性を正しく理解するために」
場所: 東京大学農学部フードサイエンス棟中島董一郎記念ホール
           (地下鉄東京メトロ南北線東大前 徒歩2分)
主催: NPO食の安全と安心を科学する会(SFSS)
後援: 東京大学食の安全研究センター


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【賛助会員】
 ・株式会社OSGコーポレーション
 ・メロディアン株式会社
 ・株式会社シドミ
 ・株式会社蓬莱
   ・旭松食品株式会社
 ・株式会社バイオプログレス
   ・キユーピー株式会社
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【編集後記】
NPO食の安全と安心を科学する会のメールマガジン第11号はいかがでしたでしょうか?
ご意見・ご感想などございましたら、下記メールアドレスにお願い致します。

秋といえば「秋刀魚(さんま)」ですが、今年も目黒のさんま祭りが盛大に開催されたそうです。
友好都市の岩手県宮古市から目黒駅前商店街に新鮮なさんまが提供されて、先着順に無料配布されたそうですが、
多くの人出で賑わったため食べられなかった人もいたとのこと。
「最近はお家で秋刀魚(さんま)を焼く家が少なくなった。」と、先日、和食の料理人の方が嘆いておられましたが、
こうしたイベントで旬の味の美味しさや奥深さを知り、目と舌で本物を体験すると、食に対する意識が良い方向に変わってくるように思います。もちろん、我が家も旬の味を確かめるため、この日スーパーで買った秋刀魚を焼いて食べました。脂の乗りは今ひとつでしたが、これから先、もっと美味しくなっていくと考えるとこの秋が益々楽しみですね。


当NPO食の安全と安心を科学する会の公式ホームページを随時更新しています。
今後も、当NPOの活動報告や予定等を積極的に公開していきますので、
ぜひ定期的にアクセスして内容をご確認ください。

皆様のお役に立つ情報公開を目指していきますので、
これからも何卒よろしくお願い申し上げます。

守山 治
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